魚屋 結香
大学2年生
「本当はもっとダンス好きかも」
―今はどんなダンスに取り組んでるの?
今、学園祭のパレード長になって。パレードってストーリー性があるんですよ。ダンスにストーリー性をつけるの、私はすごく好きで。だからこれをまず完成させたい。
パレードの話をしてる時に、メンバーの中に大学からダンス始めた子がいて、その子が知ってるダンスは舞台の上でおしゃれな音楽で踊るっていうことをダンスだと言ってて。そのとき、私にはパレードはダンスじゃないみたいに聞こえちゃっだけど、私はそういうのが大好きだから、その良さを伝えたいっていうのを今強く感じてて、それが伝わるようなダンスをつくろうって思ってます。
―ダンスに夢中な日々を送っているけど、1年前はそうじゃなかったよね。
自分の中では「大学は勉強するところ」で、ダンスは趣味という意識があったのと、大学のダンス部に遊びにいってみたら、自分ができる方だと思ってたけど、意外ともっとできる人はいて、ちょっと熱が薄れてた。
でも1on1ミーティングでダンスの話をするうちに、こういうことでもいいんだと思えて。それに、ダンスのリーダーになってからもっと責任感が出てきて、明確な目標が出きたので、ダンスでもいいんだって確信を持ちました。
去年の秋に1回ダンスをつくるようになって、ダンスに対する責任を持ち始めてから変わりだしたと思います。秋になってちょっとずつ自分の実力が人に認められていって、それで自分のダンスの情熱が増えていったっていうか。
発信する側になったらそのダンスに対して考える時間も増えるし、ダンスに対する見方も変わってきて。前は先輩が教えるのを受け取るだけだったのが、先輩の指導の仕方だったり、構成の仕方だったりを参加者としてじゃなくて、自分もいつかこっち側に立つんだという見方で客観的に見れるようになって、そっから変わった気がします。
―自分で、自分の変化を感じてるんだね。
前よりも発言できるようになった気がする。元々自分の意見を言う方じゃないんですけど、自分が喋ったことが相手に伝わって、それが話題の中心になって話が進んでいくことが自信になるというか、この話でこんな盛り上がってくれるんだっていうのが嬉しくて。
―そんなに自信なかったんだっけ?
うーん、ダンスに対してはあったけど、自分の意見が通ったりして、考えてることにも自信を持てるようになったと思います。
去年の11月にリーダーを決めるためにダンス部全員で集まったんですけど、自分でもショックを受けるくらい何も言えなくて。その時自分はダンスのことしか考えてなかったのに、他の人はちゃんとダンス以外にダンス部としてどうしていくかを考えていたんですよ。だからその後自分でも、こうしたら分かりやすいとか、どうやったらみんな集まってくれるかとか、そういうことを考えるようになりましたね。
振り返ると、転機は去年の12月頃、ダンス部にオリンピック企画のオファーがあって、でも部としては受けないことになって。それでも自分はやりたいことを突き通そうって思って発言した時かなぁ。これで自分が変われそうって思った。
結局ダンス部としては多数決でやらないってなったんだけど、そのあと部長にかけあって、私自身が責任者になって部を飛び出した活動ならOKとなって。結局オリンピックも飛んじゃって実現には至らなかったものの、最初は私含めて3人でスタートした活動が、最終的には8-9人くらいいましたね。
―そんな魚屋さんでも、コロナの影響を受けた。
え、”ダンスいやいや期”ですか?
―そうそう(笑)。
あー、別に活動しなくてもいいんじゃない?くらいに思ってました。(練習も本番もなくったことは)大きかったですね。楽しみにしてたし、曲も決めてこれをやろうって自分の中でもイメージしてたことが崩れたので、全部嫌になって…どうしようもない絶望感に襲われてて…。
―そうだよね。1on1collegeの中でも、同じように打ち込んでいた何かの「機会」を失った 人はたくさんいたんだけど、そんな中、魚屋さんの”谷”は4月だけで終わったんだよね。すごく印象的だった。
うん…そのときは本当に”いやいや期”で。(メンターの)長谷川さんと話して何かやらなきゃって思って、部のメンバーに「オンラインレッスンします」って言ったのは、本当に1on1ミーティングの直後だったんですよ。
オンラインレッスンに参加してくれたみんなが「久しぶりに踊れて楽しかった!」って言ってくれて、そっからもうなんか”いやいや期”を越えましたね。「本当はもっとダンス好きかも」って気づけた気がします。
(2020.6.8、学年は当時)