中村 水咲
大学2年生
「"素"を出せるファシリテーションをしたい」
—自分にとって大きな変化は?
1on1 collegeを始めたころはやりたいことにいろいろ手を出しすぎて、どれを極めたらいいのかわからないみたいな。だけど、なんにでも手を出す時期となにかを極めたい時期があるという話を聞いて納得して、興味を広げることをやめずに広げ続けているうちに、ファシリテーションを極めてみたいって自分の中でいちばんやりたいことが見つかって、1年もかかったけど、いろいろ広めたからこそやっとそのひとつを上に伸ばしたい時期にきたのかなって。
自分はいまファシリテーション養成講座でファシリについて勉強していて、一方ファシリの勉強なんて一切したことないのに自然とできちゃう人もいるじゃないですか。自信がないっていうのがいちばん大きい。やりたいのにスキルがあるわけではないことが、ずっと一歩踏み出せなかった原因だと思うんですけど。それこそわたしに足りないのは決断力で。やらざるを得ない状況になってからのコントロール力はあると思うんですよ。なんでもポジティブに持っていけるから。自分で得意だとは思わないけど、もしやらないといけなくなったら、自分らしさを掛け合わせたファシリを探していけばいいんじゃないかなと思ったりして。
講座は楽しいですけど、やっぱりみんな上手だから早く自分のポジションというか、自分が得意な方面でかたちにしていかないとなって思いますよね。最近知ったファシリでの新しい視点は、集中力のオンオフをファシリ側がコントロールするために音楽を使うことがあるんですけど、それが結構バカにできなくて曲の雰囲気ひとつでみんなのやる気やモチベーションが全然違ってくるなと思って。
—なんでファシリテーターを追求してみようと思ったの?
前に自分の強みを探して、とにかく人と関わることが好きなのは明らかで、そのときにやっぱり人が何を考えてるとか分析とかも自然とやっちゃっていたり、チームビルディングにも興味があるから。
リーダー然とするわけじゃなくてメンバーみたいな感じでぽんといるけど、「あの子あんまり発言できていないけど意見はありそうだな」と気づけるような、自分の観察力を活かすことはできると思う一方で、自分がこれまでやってきたことはザ・リーダーが多かったし、学級委員をやるタイプだったから「ザ・リーダーのほうが向いているんじゃない?」って言われたら否定できないっていうか。
まだやりたいことをうまく言語化はできてないですけど、雰囲気をつくったり、チームがうまくいくように貢献したいって思いがあるんです。
高校時代はアーチェリー部に入っていて、そのとき環境があんまりよくなかったことが原体験なのかも。上下関係が厳しくて先輩にも後輩にもフランクにはしゃべれない状態で、いま思えばけっこうチームビルディングには苦戦したなって。チームがうまくいっているときはパフォーマンスもすごくいいし、うまくいっていないときはパフォーマンスも下がるからけっこう敏感になっている気がする。上下関係がちゃんとしているのはいいけど、先輩に物言えないのはあんまりいいとは思えなくて、自分が部長になってからは、後輩にもけっこうフレンドリーに接して、言いたいことはなんでも言えるように努めたつもりなんです。だけどそうしたら全体として雰囲気が緩くなっちゃった。練習中におしゃべりするようになったり、いままでだったらどんなにやる気がなくてもやるしかない状況だったらやっていたのに、できない理由を説明してくるようになっちゃって。これはやらかしたなと思いましたね。
—どんなファシリテーターになりたいの?
わたし自身、自己開示が苦手で、打ち解けて、周りに馴染むまでに時間がかかるからこそ、周りの人にはわりと早い段階で素を出せて、アイデアが出しやすい、言いやすいファシリテーションをしたい。どういう場所だったら早く打ち解けられたか思い返すと、わたしの場合は誰かひとりそういうのが上手な人がいて、フランクに近寄ってきてなにも考えていない感じでめっちゃ聞き出してくるけど、あとから聞いたらけっこう考えていた、みたいな。オフラインのイメージしかないので、いまオンラインのファシリテーションでそれを実践するのはなかなか難しいです。
ファシリテーションと聞くと、場を回しながら司会として盛り上げる人というイメージがわたしのまわりではけっこうあって。わたしは盛り上げるのも得意じゃないし、自分のやりたいことを「ファシリテーション」と言語化したからこそ、そういう場で盛り上げている人につい注目がいって、そういうふうにはできないと思ってしまったことが、いまの自信のなさにつながってるんですよね。大学に入ってから、やりたいことは口に出したほうが話は弾むと思ったから「ファシリテーションをやりたい」っていろいろな人に言っていたけど、わたしがやりたいと思っているファシリが、みんなが思っているようなファシリじゃないことで、そのギャップに勝手に苦しんでいる。けど、そうじゃないんだって、いま話していて思えました。
(2020.10.5、学年は当時)