「全部リアルに話したら

 自分を受け入れられた」

佐藤 楓さん

 

秋田の高級旅館「夏瀬温泉・都わすれ」にて泊まりこみ修行

国際教養大学2年

在籍:2019.7 - 現在

#大学生 #旅館 #女将

(聞き手:長谷川、学年はインタビュー当時)

(突然佐藤さんから切り出す)ちょっと、年末年始「ゴミ」だった話をしていいですか。

どうぞ。(笑)

 

いつも年末年始に1年を振り返って、これからの1年はこうしようって目標を立てるんですね。でもそのやる気すらなくて、初めて年始に目標を立てられなかったんですよ。立てよう、立てよう、立てようって思ったんだけど。目標を立ててないから、勉強も、やらなきゃいけないこともあるけど、それも進まずに、全部後回しで。これ立てないとやばいなと実感して、で、慌てて(目標を)立てたんですね。

ほうほう。

2019年は、2018年から流れがあって。2018年を「もやし時代」って呼んでて。学校で単位全部落として、行かなくなって。それは今までになかった自分で、こういう自分もいるんだと、新しい自分を知ったんです。2019年は、9月から12月、結構無駄にしたかなっていう時間が多くて。というのも、いわゆる普通の大学生みたいな生活を送った気がして。(必要に迫られて)勉強は一番した気がするんですけど。それ以外に、自分が「今これめっちゃやりたい」みたいな感じでやったのが何かあったかというと、そんななかった。かつ、じゃあ余った時間を何に使ったかっていうと、友達と遊んで。なんか、普通に過ごせば普通になるんだって。だからこのまま何もせずに生きてたら、超平凡な人生で死ぬのが理解できた。でも、そんな自分も受け入れられたんですよ、良い意味でも悪い意味でも。そんな感じの自分もできるんだって。今までの自分が、こうでありたいっていうのと全く反対に、こういう自分もあるんだなっていう。

2018年は知って、2019年は受け入れられた。2020年は、いろんな自分を見てきたその上で、自分の伸ばしたい部分とか磨きたい部分を取って、力を入れて、時間をかけて育てていくかっていうのを決めて、ちゃんと動かしていく年かなって思って。そういう年にしたくて。

 

結局2020年をどうしたいか考えたわけじゃない。それは佐藤さんらしさだよね。

ちなみに「もやし時代」はそもそもなんでそうなったの?

もやしになったのは、プツッと切れちゃったんですよね。

 

大学の交換留学で、当時、学校が交流のなかったルワンダに行こうとして学校とかけあったけど、実現できなかったのが大きかったんだよね。

 

それは大きかったです。なんでやらせてくれないだろうと思った。すごい時間もかけて。

当時聞いてて、すごくいいチャレンジだと思った。最初の1on1ミーティングで聞いたよね。そこから立ち直れなかったのかな。

はい。挫折なのかもしれないです。確かにそこから何かないですね。自分で何かしようっていうのが。

でもそのあと、来る人に合わせて秋田を案内する旅行業を自分でやったり、いろんな新しい好きなものとも出会ったりして、今やっている宿泊業への興味も生まれたじゃん。北海道・東川の「北の住まい設計社」とか富山・氷見の「HOUSEHOLD」とか。これらをいいと思える価値観は、「もやし時代」の前も持ってたのかな? 

 

ないです。めっちゃ変わりました。

 

退化じゃなくて、変化だよね。「もやし」以降がダメなわけじゃなくない?

 

でもどの自分が、一番満足できるのかがいまいちわからないです。

 

前に(気合の)スイッチをオンにしている状態がいいって話してくれたけど、それもわからないってこと?

 

でもオンにしているときの自分は好きです。でもオンにして、自分がどう動くかによって、良いか悪いかが変わる。

次は、秋田の高級旅館で、女将のもとで1ヶ月泊まりこみで修行しに行くんだよね。いつからだっけ?

2月からです。あれはまちがいなくオンにせざるをえない。(笑)

ちなみに1on1 collegeでのモードもあるの?

 

完全にオンですよ。毎回始める前に、どういうこと話そうかなって結構考えます。

そうさせる動機ってなんなの?

 

同じ話をちがう人にしても、ちがうフィードバックが来るじゃないですか。それが楽しいから。

 

フィードバックされるの好きだよね。1on1 collegeの参加動機でも言ってた。

 

はい、好きですね。私が話したことへの返答って、その人の色々な考え方が出るって思うんですよ。それを聞くのもおもしろいし、私が考えてるのと全くちがう視点から来るから、勉強にもなる。

 

佐藤さんは普段から親や先生じゃない大人と、比較的交流してる方だと思うんだけど、そんな佐藤さんにとって1on1 collegeの場というのは、他と何かちがいはあるの?

 

チェックされてる感がすごいあるんですよ、これ(1on1 college)は。(笑)

評価したり成績表が出るわけでもないのに?
 

はい。良い意味で、ですよ。(1on1ミーティングの間の)1ヶ月間に、せっかくなら報告したいことも作りたくて。何もなくて、普通に1ヶ月を送ったとしても。

でもそういう、大きなイベントがない1ヶ月もあったよね。

 

ありましたね。そういう1ヶ月は嫌だなと思います。自分ががんばるためのチェックポイント。例えば、普通に会って、今こんな感じなんですよーっていうのとは、1on1 collegeは全然ちがいます。自分にとって、行動の報告っていうよりも、考えの報告みたいな感じです。

そういう機会があることは、自分にとってどんな効果があるの?

考えるいい機会。話すときに言語化しなきゃいけないわけじゃないですか。ある程度まとまってないと話せない中で、これがあると、事前に考えるし、ぼんやりしてたものをまとめるいいきっかけになる。

(ひとりでやるのではなく)アウトプットしたい。相手がいて、表情や、話す相手の動きは欲しいので、1on1ミーティングがビデオ通話なのは重要です。電話は好きじゃないです。

去年の7月から1on1 collegeが始まって、ちょうど半年なんだけど、振り返ってみて、半年の効果ってどう感じてる?

 

結構全部リアルを話してきたと思うんですね。今まで、パニックみたいに、やばいってなるときとかあったんですね。それこそ「もやし時代」は、モヤモヤずっと考えて、考えてもアウトプットする人が身近にいなくて、溜まりに溜まって。まじやばい、私どうすればいいかわからない、みたいな。それが今は、定期的に話して「空っぽ」になるんですよ。話そうと決めてたことを全部話して、空っぽになるじゃないですか。だから溜まっていかないというか。発散じゃないですけど、これが空になって、溜まって、空になっての繰り返しだから、膨大していかないというか。抜けていくというか。

空っぽになる効果は? 溜まっていくときと比べて何がちがうの?

 

溜まりに溜まると、行動が遅くなる。悩むことは後悔してないですけど、悩む時間が短い方が、次に進みやすいし、自分の経験が増えるじゃないですか。だからこのときはこうだったなと振り返るものも増えるし、これからのステップが速くなる感じがします。

半年前と比べて何が変わった?

 

こういう自分もいるんだと受け入れられるようになったのは、この半年が大きかったと思ってて。今まではアウトプットするときも、話す内容を限ってたというか、全部を話せる人はいなかったから。例えばとある友達は、お互いに常にアウトプットできる関係で良かったですけど、でも全部じゃなかったというか。その友達と「一緒にがんばろう」みたいな中で、自分がどれだけ「ゴミ」かとかはちょっと話しづらかった。今は話せるようになったんですよ。いろんな人に対して全部言える環境ができて。それまでは、その人に対してこういう自分でなきゃいけないみたいな、そうじゃない部分は良くないみたいな風に思ってて。それが誰に対しても全部言えるようになって、自分の中でも受け入れられるようになったというか。

そこの変化はすごく大きかった。その積み重ねで、自分自身のこういう面も受け入れられるようになった。

1on1 collegeで、全部話せたのはなんでだろう。

 

まず、自分は比較的大人の方がしゃべりやすい。月1回気兼ねなく話せるのはいい。(他の大人とちがうのは)1つは、承認欲求がここではまったくない。あったらゴミみたいな話はできません。(笑)

あとは、フィードバックの内容がちがいます。すっきりする。すっきりさせてくれないフィードバックもある。

なんですっきりするの?

 

否定しなくないですか?

 

ああ、それはそうだね。信条。そう決めている。

否定しないフィードバックの方がすっきりするのはなんで?

全部言い終わって、フィードバックを得て、「はい、次」ってなれるんですよ。もちろん言われたことで、あれってこうだったのかなって考えることはあるんですけど、次はどうしようって進みやすいっていうか。終わったあとに過去じゃなくて、次を見られる。

うれしいね。このインタビュー、おれにとって発見に満ちてる。(笑)

当初このプログラムに期待していたことは得られたの?

もともと、大人と話せて、しかも1時間私の話を聞いてくれて、フィードバックをくれること自体が価値じゃないですか。だからその価値はあったし、その上で、全部話せる状況があって、それがあったから自分を受け入れられたので、期待値より上だった。

それはよかった。1on1 collegeはどういう人におすすめできる?

悩んでる人。(笑)やりたいことだったりもそうだし、自分自身がどういう人なのかとか考えてる人。

それじゃあ最後に、今参加してる人たちに対して、活用方法のアドバイスを。

私が思いつかないような深掘りをしてくれるから、死ぬほど考え抜いた自分の構想を持ってきて、それについて深堀りしてもらうとめっちゃおもしろいなと思いますね。参加した当初は(旅行業の事業化を検討していて)どうやったらお金もらえるか一緒に考えてもらったりして、自分が1人でやってるのと、別の視点をくれる人がいるのとは全然ちがった。どうせ1on1 collegeに参加するなら、自分でプロジェクトとか、何かやることを決めた方が実りのあるものになると思います。

インタビューの感想を尋ねると「めっちゃおもしろかった」「口に出してみたら思ってたこととちょっとちがって、やっぱり話すといい」と、改めて対話の魅力を感じてもらえました。

佐藤さん、ありがとうございました!