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「日常を生きるために“自分のありか“を確認する時間」

この春、社会人として一歩を踏み出した吉岡蕗乃さん。自分が何者かを問うために大学を1年間休学した後、1on1 collegeと出会いました。人生の大きな転換期にあった吉岡にとって、1on1は「自分を整える時間」だったと言います。卒業までの10カ月、どんな気づきを得たのでしょうか。

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吉岡 蕗乃さん

大学4年生

<1on1 collegeとは>

1on1 collegeは、高校生・大学生が、自身の選択を最適化するためのツールです。社会人メンターが、1時間のオンライン1on1ミーティングを、無料・回数無制限で提供しています。1on1は、なんでも話したり、考えたりできるツールです。進路や就活について考えたり、最近興味のあることや悩んでいることを整理したり、自己理解を深めるために活用している学生もいます。様々な角度から質問をもらいながら、たくさんのことを「言語化」することで、自分の価値観、行動、目標や課題、優先順位が「整理」され、次の自分の「選択」が最適化されていくと考えています。

体験1on1はこちらから:https://www.1on1college.com/start

大学生の肩書きを下ろして​​​​​​​​​​

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━━ なぜ休学を決断したのでしょう。

入学したのは2021年、ちょうど新型コロナが広がっているさなかでした。最初の1年半は何の目標も持てず、人生にあまり目的のない時期が長くて。
 
ようやく授業やバイトが始まり、「大学生活って面白いかも」と思い始めた頃にはもう2年生の終わり、就活が始まる時期でした。
 
自分が何を好きなのか、何者なのかも分かっていないのに、就活のような未来のことを言われても全く分からない。もっと時間が必要だと思ったし、本当に就活したいと思っているわけではないのに周りに合わせて何となく同じことをしたらきっと後悔するなと。

それで1年ぐらい考えて、3年生が終わったタイミングで休学しました。
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━━ どのように過ごしたのでしょう。

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それまでの私は多数派の王道というか、本当にストレートな人生を歩んできました。これからもそれが続くのは嫌だなと。大学といった狭い世界しか知らないから、大学生という肩書きを一回下ろして、外の世界を見てみたいという思いがありました。
 
「大人の島留学」というのがあるんですけど、島根県隠岐島のシェアハウスで3ヶ月間ぐらい、同世代の子と暮らしていました。あとは地方でインターンをしたり海外に行ったり。何だろう、本当に自分の価値観が揺さぶられました。
 
そういう経験を通して、単に都会的な就活だけが自分の生きる道ではないということも分かったし、いい会社に就職してたくさん稼ぐことが市場価値みたいに思われているけれど、そうではない価値があることも分かって。

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「今、やりたい」と思ったわけ​​​​​​​

━━ 復学して1on1 collegeに出会ったのですね。

1年以上前から存在は知っていましたが、自分がやってみようという発想はなかったというか。性格的に必要だと思うことしかやらないところがあります。その頃は「そういうものがあるんだ、ふーん」という感じでした。
 
復学した後に就活で一度失敗を経験して、これからどうすればいいか分からなくなりました。頭の中がごちゃごちゃして、アドバイスが欲しいわけではないけれど、ただ話がしたかった。その時に思い出したんです。とりあえず話してみたら変わるかもしれないと。
 
とにかく自分の中にあるものを言語化したかったというか、整理したかったというか。それをひとりでするのは難しく、誰かの手が必要だったんです。だから直感的に「今やるのがいいかな」と思い、申し込みました。

自分にフォーカス 私の話を聞くために

━━ 実際に始めてみてどう感じましたか

いい意味で想像と違ったのは、メッチャしゃべっても良かったことです(笑)。
私はもともと話す量が多いんですよ。しゃべりながら頭の中が整理される。相手が友達だと「ただ聞き役にしてしまっているから申し訳ないな」と思うことが結構ありますが、(メンターは)聞くためにいてくれる。
 
正解、不正解の答えをもらう場所ではなく、「もっとこうした方がいい」とは言われません。結局自分でまた考えなくてはいけないから最初は大変だと思うこともあるんですけど、続けていく中で「こういうことかも」と分かる瞬間がある。それが一番うれしいんです。何となく考えていたことが具体的に言葉として理解できたり、前に考えたことと同じだと分かったり、そういった気づきがいっぱいありました。

 

━━ メンターと過ごす時間をどう位置づけていたのでしょう。
 

立ち返ってそこから前に進むというか、日常を生きるために自分のありかを確認する時間というか。

普段は社会という大きな枠組みの中で自分を見ることが多くて、基準が外に置かれていると「私はたいしたことがないのかな」と自信を失ってしまうことがあります。でも個人単体を見るので、自分がフォーカスされる。外の人がどうであれ、自分の考えていることや選択は間違いない、それでいいのだと思える。何かすごく安心するんですよ。
 
2週に1回を基本に続けてたんですけど、メンタル的にすごく落ち込んだ時は週1で入れるみたいな。1、2週間で人生に大きな変化なんて起きていないと思っていたんですが、話してみると「こんな出来事があって心を揺さぶられていたんだ」と気づいている。それがすごく面白く、自分が生きていると感じられました。

 

━━ きっかけとなった就活にはどんな影響がありましたか。

就活のモヤモヤをなんとかしたいと1on1を始めたのですが、その目的はしだいに薄まっていったというか。就活というものがよく分からず、自分の中ですごく巨大に見えていたけれど、考えていることを言葉にすると姿が見えてくるというか、くっきりしてシンプルに見えてくる。別にたいしたことではないと思えるようになりました。

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道具や視点をくれる「芋掘り名人」

━━ いろいろな気づきがあったのですね。

好きではない自分、見ることを避けてきた自分の一面に出会うことが結構あって。
 
例えば、「友達が他の友達と一緒にいたらちょっと嫌な気持ちになる」というテーマで話したことがあります。そういう悩みは友達には言えないから。

 

そう思ってしまう自分を嫌だと思ったけど、話していくうちにそれは自分が友達との関係を守るための自然な感情なんだと気づいて、「それでもいいのかな」と。

自分を否定してマイナスに解釈すると、自分をすごく嫌いになってしまう。けれどマインドチェンジしてループから少し別の視点からみると、普通のことだと受け止められる。
 
以前は家族に対し「私の考えは正しいから認めてほしい」と思っていたんですけど、1on1を通して「別の人間なんだし無理に変えようとせず、違うことを違うままで受け入れられればいい」と考えるようになった。すごく楽になったというか生きやすくなりました。

 

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━━ さまざまな人間関係に通じる考えですね。

そうなんです。ひとつのことについて新しい見方を発見すると、違う出来事が起きたときにその考え方を応用できるんです。
 
たぶん本当は自分の答えを持っているのだけど、どこにその答えが埋まっているかわからないので認知できずにいる。それを探す道具をくれるというのが1on1だと思うんです。
 
例えば、芋掘りに行って土の奥に芋が埋まっていることはわかるけれど、自分ひとりの手では掘ることができない。そこに芋掘り名人が来て、スコップとシャベルを貸してくれ、掘り方を教えてくれる。あくまで最終的に掘るのは自分ですが、その過程で道具や視点をくれる存在、1on1はそんな感じです。

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選択に自信 人の成長に関わる仕事を​​​​​​​​​​​​​​​

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━━ ユニークな表現ですね。吉岡さんは丁寧に言葉を選びます。

日常の会話って、自分の中にすでにあるストックの中から引き出しを開けて言葉を引っ張り出すようなことが多いと思うんです。でも、1on1は自分の中で常に新しく生成しながら言葉を紡いでいく。そうやって話している時の方がすごく生きている心地がするし、自分らしい。気持ちが良くてすごく好きです。
 
1on1では言葉が勝手に出てきて、自分の意思じゃないように感じることが結構あって。「自分はこんなことを話したんだ」とびっくりする。それはメンターに問われるから生まれるので、1on1ならではだと思います。

自分が気づいていなかった新しい自分が発見されると自分の見方が1個増える。毎日を生活していく上での武器というと言葉が強いけれど、道具が1個増えたみたいな感じです。

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━━ 社会人として一歩を踏み出します。

働くのは、子どもや青少年向けの教育や体験教室などを中心に保護者や高齢者向けの事業も行う公益財団法人です。

 

私は人ありきというか、人が好き。だから人が変化する瞬間に立ち会ったり人の成長に関わったりしたいと、自分の中で一貫しています。1on1で新しい眼鏡をゲットしていたから、いわゆるみんながイメージするような就活じゃなくて、自分のスタイルで進路を決めた感じ。自分で選択したので自信を持って前に進んでいます。

 

社会人になっても1on1のような時間は確保したいですね。自分を振り返ったり「これってどうだったかな」と考えたりする時間は、忙しければ忙しいほど意識して作らないと難しい。普通の日常の中にそうした時間を取り入れることで、自分がそれまでに得たものをしっかりとキープする、1on1はそのためにあるように感じます。

 聞き手:太田敦子

(2026.3.2、学年は当時)

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